手汗対策グッズに頼らず手汗を抑える方法をご紹介しています。

手汗対策グッズ以外で手汗を抑える方法

手汗対策のグッズとして、ここまでクリームやサプリメント、薬といったものを紹介してきました。しかしそれ以外にも、装置を用いた治療や手術などといった方法で手汗を止めることもできます。これまでのグッズにそれぞれ利点、欠点があったように、これからご紹介する療法にも利点、欠点があります。金銭的負担の大きさ副作用の有無など、これまでのグッズよりも生活への影響が強いものが中心になりますので、それぞれの療法についてきちんと理解した上で、実践するかどうかを判断するようにしましょう。

 

イオントフォレーシス治療

病院へ通うことが難しい人に向いている方法で、てのひらに直接電流を流して治療します。この療法の利点として、副作用が出にくいということが挙げられます。人によっては、電流を直接流すことに不安を感じるかもしれませんが、10〜20mAという微弱な電流ですので、感電や副作用などの健康への影響はありません。稀に手の皮がむけてしまったり、発疹などが出てしまう人もいますが、他の治療法と比べても安全性はかなり高いと言えます。

 

この治療法は、基本的には保険が効く療法として病院に通って行うものです。しかし、都合よく近所にイオントフォレーシス治療をしてくれる病院があるとは限りません。そのため、必要な器具を購入することで、無理に病院へ行かなくても自宅で治療することができます。

 

購入が必要な治療器具の名前は「ドライオニック」といい、海外から輸入することになります。外国語に自信がある方は個人で取り寄せすると安く済ませることもできますが、そうでない方は輸入を代行してくれる会社を通して購入すると良いでしょう。商品の価格は3万5千円ほどです。(※時期により価格変動有り)
ドライオニック 個人輸入代行サイト

 

イオントフォレーシス治療の方法を簡単に説明します。
・まず、専用の容器に水(水道水でOK)を入れます。
・そして電極の上にスポンジを乗せ、手のひらをつけます。
 この時、手が水に沈んでしまわないように水量を調整しましょう。
・そこに10〜20mAの弱い電流を流します。

 

患部に直接電流を流すことで汗腺の穴を収縮させる効果があり、それによって手汗を抑えます。通電は1回につき30分ほどとし、1〜2週間の使用で手汗の量が減ってくると言われています。ただ、手汗対策の効果を持続させるためにはずっと継続する必要があり、効果が出るようになってからも週に1〜2回は行う必要があります。

 

また、効果のほどは人によって多少ばらつきはありますが、実に80〜90%の人に効果があると言われています。さらに、手汗だけでなく足汗にも効果があるため、手足両方の悩みを抱えている方にもオススメできます。

 

ボトックス注射

この療法は、身体から汗が出る際に作用するアセチルコリンという物質を抑えることで、手汗を抑える方法です。アセチルコリンを抑えるために、手のひらにボツリヌス菌を注射します。ボツリヌス菌にはボトックスというタンパク質が含まれていて、このタンパク質がアセチルコリンの分泌を抑えるために一時的に筋肉を麻痺させます。これは手汗対策に限ったのものではなく、眼や顔の痙攣症状の治療としても使われています。

 

「ボツリヌス菌」という言葉だけだと、どうしても食中毒の原因菌としてのイメージが強くなりがちです。しかし、ボツリヌス菌の成分であるボツリヌストキシンは美容外科などにも使われていて、濃度をきちんと調整すれば人体には無害なのです。韓国では顔のシワを取り除くプチ整形にも利用されており、韓国食品医薬品安全庁で認可されている点からも安全性の高さがうかがえます。

 

ただ、欠点として、ボトックス注射はその名前の通り注射器による治療になるため、針や注射が苦手な方にはまったくオススメすることができません。腕にちくっとするだけなら大丈夫という人でも、てのひら、指先に複数箇所注射するとなると不安を感じてしまうかもしれません。病院によっては、痛みを感じにくいように特殊な細い針を使っていたり、麻酔を視野に入れた治療をしてくれる所もあるようです。

 

そしてもう1つの欠点が治療費の高さです。ボトックス注射は保険適用外の治療のため10割負担になってしまいます。その上、1回治療を受けたら終わりではなく、効果を持続させるためには3ヶ月〜半年に1回の間隔で定期的に注射を受ける必要があります。1回の治療にかかる費用は7〜10万円で、頻度も考えると年間28〜40万円にもなってしまうのです。そのため、痛みへの耐性があり、かつ経済的にも余裕がないと難しい治療法と言えます。

 

ETS手術

ETS手術とは、胸部交感神経遮断手術の略称で、他の方法と違って1回の手術で半永久的に手汗を止めることができます。しかし、この手術を受けた人のほとんどが副作用に悩まされているため、安易に手術を受けることはオススメしません。病院の先生とよく話し合って副作用についてよく理解して、それでもと思う人だけ受けて下さい。

 

まずこの手術の方法についてですが、全身麻酔のもと脇の下を切開して行います。手術しやすいように一時的に肺をしぼませます。脇から内視鏡を入れて、手汗の原因となる神経を切断または破壊します。肺を元通りにふくらませ、脇の下の切開部を縫合します。

 

交感神経の切断箇所によって抑制できる手汗の量が変わります。切断できる交感神経には第2肋骨〜第4肋骨まで種類があり、第2肋骨の方が制汗効果が大きく第4肋骨の方が効果は小さくなります。

 

この手術では手汗の原因となる交感神経を直接切断することで確実に手汗を抑えられます。そして一度切断すると勝手に元には戻らないため、一度の施術で半永久的な効果が得られます。施術を行う病院によって多少変動はしますが、保険適用のため費用は10万円ほどで済みます。切開部も小さいため日帰りで退院できます。

 

こうしてみると良いことだらけのように見えますが、かなりの高確率で副作用が発生することを忘れないで下さい。その副作用とは「代償性発汗」というものです。

 

交感神経を切断して、本来出るはずだった手汗を無理やり止めてしまうため、その分の汗が他の部位から大量に出てきてしまいます。多くの場合、背中や胸、ふとももからの発汗量が増加するようです。発汗量に個人差はありますが、夏であれば気温が高いというだけで常に服が絞れるほどびしょびしょ、温かい食事をしただけで大量発汗、歩くだけで汗が止まらなくなる、冬でも自分ひとりだけが汗だくになり人の視線が以前より気になってしまうことも。せっかく手汗の悩みから開放されたのに、こんなことになってはあんまりですよね。

 

特に制汗効果の高い第2肋骨交感神経を切断した場合の副作用はかなりのもので、「局所療法に抵抗性のある症例で患者本人の強い希望がある」場合にしか第2肋骨交感神経を切断してはならないというETS手術の条件が定められているほどです。病院側の説明不足によるETS被害者が裁判を起こした事例もあります。一度の施術で効果が半永久的に続くというのは、裏を返すと、後悔してももとに戻す方法がないということです。

 

第4肋骨交感神経の切断であれば副作用が出る可能性も低くはなりますが、それでも完全にリスクを0にすることはできません。ETS手術はどうしてもバクチ的な要素の大きい療法ですので、まずは他の療法を試してみてよく考えた方が良いでしょう。

 

ビューホット治療

ビューホット治療は、てのひらの汗腺に高周波の熱をあてることで破壊して手汗を止めるという方法をとります。沢山の細い針がついたビューホットという機械を使います。熱による治療のため火傷を心配してしまうかもしれませんが、手のひらの表面を冷やしながら治療するため、痛みや色素沈着もなく、傷跡が残ることもありません。針の痛みが心配な場合は、病院によっては麻酔を使ってくれる所もあります。治療自体は1回につき20〜30分しかからず、大抵の場合は1回で済みます。

 

ただし、ビューホット治療は比較的最近できた療法のため、現段階ではまだすべてのリスクが解明されているわけではありません。手汗を抑える効果についても完全に解明されておらず、安全性を保証してくれる認可が降りていません。また、保険適用外になってしまうため医療費も10割負担で、1回の治療に30万円ほどかかります。さらにこの療法を取り入れている病院が圧倒的に少ないため、近所で対応している病院を探すのは難しいかもしれません。

 

まとめ

この項目で紹介した治療法は、世界的にも効果が証明されているものが多く、効果が期待できるものばかりです。ただし、療法によっては副作用でその後の人生が悪い方向に変わってしまう可能性も含んでいます。さらに保険適用外になる治療法が半分を占めていることから、金銭的な負担もかなり高くなっています。

 

副作用の心配をせずにすみ、安い値段で確実に手汗を止められるのが理想ですが、どうしてもどれか1つは犠牲にしなければなりません。クリームやサプリなどのグッズをすべて試した上で、どうしても効果が見込めず悩んでいる方であればこれらの治療法を検討してみる価値はありそうですが、そうでない場合はまず手軽にできる方法から試してみることをオススメします。特に一度施術を行うと元に戻す方法がない治療法は、しっかり考えてから受けるかどうかを判断してくださいね。